印刷事業

	品質へのこだわり

技術革新は熟練工を不要なものにしてしまったのでしょうか。確かに手順は単純になり、ボタンを押すだけで印刷機は回転を始めます。では、機械の操作を熟知してさえいれば最高の印刷物を作れるのでしょうか。及第点ぎりぎりの製品ならばあるいはできるかもしれません。しかし最高の印刷物は作れないはずです。印刷過程で使用するインクや紙は、環境の影響を少なからず受けており、それら数値化することの難しい部分を扱うためには、オペレーターの「勘」が求められるのです。しかもそれだけではなく、「もっと綺麗に、もっと見栄え良くなるはずだ」という品質への強いこだわりも必要になります。何度も試行錯誤が許されることはありません。限られた時間と資源で、最高品質を目指しつつ効率も追求する。それは熟練工でなければ達成できないことなのです。

	巧と速

巧遅と拙速ならば私達は迷わず巧遅をとります。しかし追い求めるのは巧と速の両立です。作業効率とはできるだけ短時間に多くの作業を行うことですが、品質低下を伴っていては意味がありません。印刷製本部の工程は物件ごとに変わります。手順を守り、確認を怠らず、しかも速く。簡単にできることではありません。これで満点、とする最終到達点もありません。しかし、「前回よりも短時間に仕上げられた」という工夫の蓄積は、高品質短納期という私達に課せられた使命を果たす上で、大切な財産となっています。

	作業環境

機械に付着した一滴のインクは手を汚すかもしれません。それはやがて工具や衣服に伝染し、最終的には製品を損なってしまうこともあるでしょう。ごく当たり前のことですが、最初の段階で付着したインクを拭き取ればそういった事態は回避できるのです。インクだけでなく、紙屑や埃も同じことです。かつて印刷工場は油染みと綿ぼこりにまみれた汚い作業場の代名詞でもありました。現在でも作業をする上で細かなちりやほこりが出るのはやむを得ないことです。しかし私達の工場を是非ご覧ください。普段着のままお気軽に見学いただけるような綺麗な環境を維持するためには、日常のこまめな掃除を続ける以外に手段はありません。

進技術と熟練技。印刷のことなら何でもご相談ください。